【ネタバレ有り】ドラゴンボール超 スーパーヒーロー

映画好きだが映画に詳しくはない私、ダイノスが、素人目線で感想をぶちまけていく。皆で語り合えたら嬉しいなぁなどと思いつつ。

ネタバレ有りなのでご注意を。

まず初めに、映画を一度見てる事を前提に書いたため、まだの方は是非先に映画を見てほしい!

と言いつつ、まだ見てない人に一言、この映画めちゃくちゃオススメである!

過去にドラゴンボールを見ていたことがある人なら是非見てもらいたい!最近のドラゴンボール分からないよって人にもオススメ!!

特に、20代、30代、40代の社会人の方には是非見ていただきたいところである!!!

「ドラゴンボールZ 神と神」以降、最近の劇場版ドラゴンボールはメッセージ性が強いと個人的に思っている。「ドラゴンボールに深い意味なんてねぇ」と周りは言うが、私はそうは思わない。

あらすじを軽く触れた後に、感じたメッセージ性を含めて感想を語っていこうと思う。

1. あらすじ

今回の主人公は悟飯くん。そしてピッコロさん。ヒロインは悟飯の娘のパンちゃん(3歳)。悟空やベジータは闘いに不参加なのは斬新かも。

敵はあの懐かしきレッドリボン軍。

レッド総帥の息子(だったかな?)のマゼンタが、ドクターゲロの孫(だったよね?)のドクターへドと共に世界征服をしようとする。

ヘドは人造人間ガンマ1号、2号、そしてセルマックスを開発して悟飯達を倒そうとする。

なんやかんやあって、パンをさらわれた悟飯ブチ切れ。人造人間ガンマたちと闘う。

闘いの最中、ヘドはマゼンタに騙されていたことに気付く。

焦るマゼンタはセルマックスを起動。しかしセルマックス制御不能。暴走状態のエヴァのように暴れ回る。

悟飯、ピッコロ、ガンマたち、その他仲間たちでセルマックスと戦う。が、勝てない。

ガンマ2号捨て身の攻撃。しかし勝てない。

ピッコロ「俺が時間を稼ぐ、悟飯はめいっぱい気を高めて一撃を喰らわせろ」

ピッコロボコボコ。ピンチ。死んじゃう寸前。

悟飯覚醒。新形態よな?スーパーサイヤ人グレー的な?

そして、悟飯がまさかの魔貫光殺砲で倒す。

めでたしめでたし。

大枠はこんな感じだろうか。うろ覚えのところもあって申し訳ないが、1回しか見てないので許してほしい。

ではここからは、熱く感想を語っていきたいと思う。

2. 感想

[1]今作のテーマ

ズバリ、「世代交代」である。

主人公が悟空でなく悟飯である点は言わずもがなだが、今回はそれ以外にも世代交代を感じさせる部分がいくつかあった。特に印象に残ったものを3つ語りたいと思う。

①次世代が前世代を倒すという構図

今作の敵はレッドリボン軍、つまり幼少期の悟空が倒した相手(前世代)である。

そして次世代である人造人間ガンマは敵かと思いきや味方で、真の敵はセル(前世代)。

前世代のピッコロなども活躍はするが、あくまで悟飯のアシストが主であり、活躍を見せたのは悟飯やガンマ(2号)であろう。

前世代の敵がパワーアップして登場し、それを次世代が倒す。これは次世代が前世代を超えたことを意味し、世代交代を感じさせる構図と言える。

②悟飯の覚醒

分かりやすく覚醒してた。ちょーかっけー。スーパーサイヤ人グレー?とかなのかな?

スーパーサイヤ人2になった時もそうだが、悟飯は覚醒すると悟空やベジータよりも毛量が圧倒的に増えるらしい。ついでに視力も良くなる。

そんなことは置いといて、作中で明確に「一番強くなった!」とは言われてないが、「覚醒すれば地球で一番強い」と言われたり、「悟空やベジータがいてもセルマックスを倒せるかは分からなかった」と言っていたりで、恐らく悟空たちを抜いたのだろう。

何よりグレーになったもん。ブルーより強そうじゃん。

強さの上でも明確に前世代を超えたと言っていいだろう。

③なぜ魔貫光殺砲なのか

激熱シーン。トドメの一撃で悟飯が放ったのはまさかの魔貫光殺砲。練習したらしい。

このシーン、個人的には熱いだけでなく、最も世代交代を感じさせるシーンであった。

というのも、映画を見終わった後、なぜ魔貫光殺砲で倒したのか?と疑問に思ったのだ。

単に意外性や盛り上がりのためとも言えるが、それにしては違和感がある。

だって今まで一度も撃った事ないのよ?そんな素振り無かったじゃん?

盛り上がりに関して言えば、覚醒した状態で真っ赤でド派手なかめはめ波とか撃っても超かっこいいし、まったく新しい必殺技とかでも良かったわけじゃん。

そこをあえて魔貫光殺砲にしたということは、そこに意味があるのではと考えたくなるわけだ。

過去のセル編と対比してみよう。

過去のセル編では、セルにトドメを刺した技はかめはめ波だった。

しかも通称、親子かめはめ波。悟空の幻に背中を支えてもらってのかめはめ波である。

父親の助けを受けながら、父親に教わったかめはめ波で倒したのだ。

対して今作では、セルにトドメを刺したのは魔貫光殺砲であった。

魔貫光殺砲は、悟飯が師と仰ぐピッコロの技である。

自らが敬う者の技を自らの意思で習得し、助けを借りることなく技を放ったのだ。

つまりこれは、父親の加護から離れ自立したこと、さらに言えば、親を超えた事を意味しているのではないか。

悟飯が一人前である事を感じさせるこのシーンは、まさに世代交代の象徴と言えよう。

[2]今作のメッセージ

世代交代をテーマとした今作だが、なにもそれは作中だけのことではないのではないか。

そう考えると、本作はちびっ子に向けた作品なのではなく、真のターゲットは過去のドラゴンボールを知る20代、30代、40代であると考えることが出来る。

我々、映画を視聴する側の現実社会においても、確実に世代交代は進んでいく。

この作品は、鳥山明氏から20代、30代、40代の視聴者に託されたバトンなのではないか。

あえてレッドリボン軍という古い題材を用いたのも、パンちゃんがどこかDr.スランプのアラレちゃんの雰囲気を醸し出していたことも、敵の中に則巻千兵衛に似たキャラが居たことも、これらは過去のドラゴンボールを知っている世代を意識したからなのではないか。

子供に付き添って映画館に来た親世代の心を掴み、この世代交代というメッセージを伝えたかったからなのではないか。

「もう社会の主役は君たちだ。あとは任せた」

まるでそんな言葉が聞こえてくるではないか。

今作は単なるエンタメなどではない。

鳥山明氏から我々に託されたバトンであり、メッセージなのだ。

[3]第一線で闘い続ける意志

世代交代というメッセージを内包した今作ではあるが、では前世代はもう隠居生活なのかと言えばそうではない。

鳥山明氏ももう引退だ、というわけでもなかろう。まだまだ現役なはずだ。

世代交代と言いつつも、「まだまだ若いもんには負けん」マインドが滲み出ているのも今作の特徴であると言える。

それが表れているのが、作中でのベジータやブルマの存在である。

ベジータは序盤で精神統一をしており、それに悟空がツッコミを入れるシーンがあった。その際にウイス様が「身体を鍛えるだけが修行ではない」といったセリフを言っていたが、まさにこれが前世代の強さなのだ。

体力や我武者羅さは次世代に適わないが、前世代には経験値がある。

培った技術と経験を如何に使いこなすか、単に力の強さや頑張り以外の面での強さの習得こそ、前世代が到達すべきフェーズなのだ。

そのフェーズへ至ろうとするベジータはまさに、第一線で活躍し続けようとする象徴であり、鳥山明氏の一面なのかもしれない。

また、同じことがブルマにも言える。

作中でお尻の高さやまつ毛の長さを神龍に願うシーンがある。

一見面白シーンとも取れるが、これもまた第一線に居続けようとする姿勢の表れとも取れるのだ。

現にブルマは今なおエンジニアとして一線級であり、次世代には負けない実力を持っている。

そんな彼女が懇願した「美しさ」には、女として、人として、まだまだ次世代には負けないという想いが込められているのではなかろうか。

[4]悟空の立ち位置

第一線で闘う意志を見せたベジータやブルマであったが、対して悟空はどうであったか。

今作の最後で、悟空はベジータとの試合の末に敗れた。

ベジータはライバルを倒した事に大喜びしているが、この時悟空も笑顔なのである。

もちろん、悟空はもともと性格的に勝敗にこだわらないタイプではあるが、それにしても、負けたにもかかわらず清々しい。

そこで思うのは、この清々しさは、悟飯が自分たちの強さを超えたことを誇らしく思っているからなのではないかということ。

もちろん作中では、悟空たちは悟飯が覚醒した事をまだ知らないと思われる。

しかし、制作陣が悟空の父親としての喜びを表現するシーンとして盛り込んだというのも、有り得なくはないのではないか。

考え過ぎかもしれないが、そう考えるとなかなかに美しいシーンである。

であるならば、悟空はベジータ達とは対照的に、次世代への交代を受け入れている立場と言える。

「オラの出番はもうおしめぇだ」と言っていると思うと少し悲しいが、純粋な悟空ならば想像できる展開だと思う。

息子の成長を喜ぶのもまた親なのだろう。

[5]スーパーヒーロー

今作のタイトルでもあるスーパーヒーロー。

作中では、命を賭して闘った人造人間ガンマ2号をスーパーヒーローと評していたが、おそらくそれだけではないだろう。

パンにとって悟飯はスーパーヒーローであっただろうし、悟空にとっても今回の悟飯はスーパーヒーローだと思うことだろう。

幼い娘にとって父親はスーパーヒーローであり、父にとっても成長した息子はスーパーヒーローなのだ。

そしてさらに世代交代という観点から言うのであれば、この世界は今まで前世代が築き上げてきた。まるでスーパーヒーローのようにあがき、もがき、活躍してきたのだ。

そして今、そのバトンが次世代へ受け継がれようとしている。

世界にとってのスーパーヒーロー役は、次世代の人々に託されたのだ。

この作品を見た次世代の人々は、各々がスーパーヒーローのバトンを受け取ったのである。

3. まとめ

色々と書いてきたが、とにかくいい映画だったと言いたい!

世代交代をメインテーマとして、これを見ている次世代の人々にバトンを託す物語。

今後のドラゴンボール作品で悟空やベジータの出番が減っていくかと言われるとそんなこともなさそうだが、今作では確かに次世代の息吹を強く感じた。

今後のドラゴンボールがどんな作品になるか、ますます楽しみになった作品である!!

今までもこれからも、ドラゴンボールからは目が離せない!!!

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